「PCゲームをガチで頑張りたいんやけど、回線がラグすぎる!」
「モデムが1階にあるから2階の自分の部屋でやるには無線しかないんやけど、電波が悪くて困る。」
こんな人って結構ザラにいると思うんですよ。
対戦ゲームとかPCゲームとかの環境ってゲーム機とかPCなんかは割と何とかなるんですが、
インターネット回線のモデムの位置って割とどうにもならない場合が多いです。
なので仕方なくWi-Fiでプレイされている方も少なくはないはず。
今回はそんな方のために最新のゲーミングWi-FiルーターASUS TUF Gaming AX6000をレビューしたいと思います。
「いや、ウチは有線やから大丈夫」って人もちょっと待ってほしい。
本ルーターはゲーミングLANポートというものを搭載しており、有線接続でも恩恵がある機能も豊富なのでぜひ最後まで読んでいってください!
本記事を書いた人
ネットワーク配線業務を15年以上続けていて、数々のルーターを設置、設定してきたオタクゲーマー。
最近ハマっているゲームはAPEX LEGENDSとストリートファイター6。
前提として知っておきたいポイント3つ
本記事を読む前にWi-Fiルーターを購入する、もしくは買い替える予定がある人で前提として知っておいてほしいポイントが3つあります。
大まかに分けるとこの3つとなります。
順を追って説明しますね。
自分が使っている端末がWi-Fiルーターに対応しているかチェック
いくら最新のWi-Fiルーターを購入しても、それに接続するPCやスマホ、ゲーム機などが対応してなければなりません。
接続こそできるものの、その真価を十二分に発揮できずに終わってしまいます。
規格 | 最大通信速度 | 周波数 |
---|---|---|
IEEE802.11ax(Wi-Fi 6) | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz帯 |
IEEE802.11ac(Wi-Fi 5) | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
IEEE802.11n(Wi-Fi 4) | 300Mbps | 2.4G帯/5GHz帯 |
IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 |
IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 |
IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 |
要するに、Wi-Fi6対応のルーターを買ってもWi-Fi6に対応した端末がないとあまり意味がないということです。
せっかくWi-Fi6対応のルーターを用意しても、スマートフォンがWi-Fi4にしか対応していなかったら最大速度が300Mbpsまでしか受けれないことになります。
特にニンテンドースイッチやPS4ユーザーは要注意です!
この2機種はWi-Fi5までしか対応していないので、Wi-Fi6のルーターを用意してもWi-Fi6の最大通信速度の恩恵を受けることはできません。
全く繋がらないということではないですし、昨今のWi-Fiルーターの性能も上がってきているので全くの無意味とまでは言いませんが、
持てる性能をフルに生かしたいのであれば、事前にPCやスマホのスペックはチェックしておきましょう。
契約しているインターネット回線をチェック
どんなにハイスペックなWi-Fiルーターを購入しても、契約しているインターネット回線を超える速度を出すことは不可能です。
例えば「10GbpsのWANポートとLANポートが搭載されているWi-Fiルーターを買ったったで!これで勝つる!」
なんて人がいたとして、契約している光回線の最大通信速度が1Gbpsだったら、どうあっても1Gbps以上の速度は出ません。
なので、契約している回線のチェックは必ずしておきましょう。
実際に使用する部屋とモデムの距離をチェック
実際に使用する部屋と設置するWi-Fiルーターの距離も考えておきましょう。
別の部屋で使用する方で特に注意していただきたいのが、その部屋までの遮蔽物の数と家の材質です。
木造家屋ならば多少は何とかなりますが、マンションのような鉄筋コンクリートでできてる部屋なんかは電波を遮断するので、
目的の部屋まで最悪電波が届かない可能性があります。
もし電波が届かない場合は、現行以上の電波強度のWi-Fiルーターを用意するか、メッシュWi-Fiのような中継器を用意する必要があるので、
家の間取りとモデムの位置は必ずチェックしときましょう!
抑えるべきポイントは以上となります、それではレビューをどうぞ!
同価格帯のWi-Fiルーターの中でも余裕で高性能
ゲーミングルーターなんて銘打ってはいますが、実はこのTUF GAMING AX6000、
数あるWi-Fiルーターの中でも、ゲーム用途を除いてもかなりの高性能です。
なので「ゲームはやらないけどちょっと良いルーターを探してる」とか「今使ってるWi-Fiルーターが古くなってきたから買い替えたい」
なんて人でも軒並みオススメできるくらいコストパフォーマンスが高いです。
同価格帯スペック比較
他社製品とのスペックを簡単にまとめてみました。
これが個人的にWi-Fiルーターでまず見るべき最低限のスペック項目です。
逆に、これ以外の項目はどの製品も大体一緒です。
Wi-Fiルーターを購入する際に参考にしてみてください。
表を見るとわかりますが、他の製品の良いとこどりといった感じのスペックです。
これに加えてゲーミングルーター独自の機能もあるので、性能面では申し分ないといえるでしょう。
外観
この無骨でメカメカしい感じのデザイン、個人的にはかなり好みですがサイズがかなりデカいです。
本体のサイズは280×160mmと結構なデカさで、アンテナを広げるとさらにスペースを取るので置き場所はあらかじめ決めといた方が良さそうです。
因みに壁掛けはできないので据え置きオンリーとなります。
本体前面には状態ランプがありますが上からじゃほぼ見えない位置にあります。
まぁランプなんてしょっちゅう見るもんでもないので全然構わないのですが...
本体背面のインターフェースです。
左から電源ボタン、DC電源、2.5GLAN、1GLAN×4、2.5GWAN、リセットスイッチ、USB3.2Gen1です。
ゲーミングLANポートでゲームプレイも快適
本機にはゲーミングLANポートというものが搭載されており、そこに接続されている有線デバイスは優先的にパケット処理を行って、
高速かつ安定した接続が得られるとのことです。
正直ホンマかいなって半信半疑だったので、ちょっと簡単に検証してみました。
まずは新旧ルーターでの有線接続の速度測定。
大丈夫かなって思えるレベルでどちらも快適な速度ですね。
お互い10回ずつ計測しましたが、旧ルーターが平均570Mbps前後とTUF Gaming AX6000は630Mbps前後と若干TUF Gaming AX6000に軍配が上がる形となりましたが、正直これくらいは誤差の範疇かなと。
Ping値もお互い13ms~17msと安定した形で数値上での大差は感じないですね。
続いては実際プレイしてみての数値を計測します。
用意したゲームは自分が最近ハマっているゲーム2選!
ストリートファイター6とAPEX LEGENDSです。
この手のゲームは数フレームの差で一喜一憂する世界なので、ルーターを変えたことにより、1フレームでもラグが改善されたのなら御の字ですね。
どちらも公式でPing値を計れるのでそれを目安にしていきたいと思います。
旧ルーターで有線接続したPing値はストリートファイターは68msとAPEXは29msと驚きの数値。
正直もうこのまんまでも良いんじゃなかろうかと思うレベルで快適です。
続いてTUF Gaming AX6000でゲーミングLANポートに有線接続した時の数値。
41msと27msとこちらもかなり良い数値を叩き出しましたが、実際はマッチングした相手との回線速度に依存したりするので一概には良し悪しは決めれない状態ですね。
実際に速度が上がったりするわけではないので、当然っちゃ当然の結果となりましたが、ゲーム中は優先してパケットを処理してくれるので、長時間のプレイや裏で大容量のデータをやり取りしながらのプレイといった接続の安定面に恩恵がありそうです。
Wi-Fi6対応で無線もしっかり速い
「ゲーミングWi-FiルーターなんやからWi-Fiの話せぇよ」って思った方、お待たせしました。
正直ここに関しては全く心配はしていなかったのですが、速度を検証してみてビックリ。
画像はiPhone14 PlusをWi-Fi6の5Ghzで接続した数値です。
数年前のWi-Fi5のミドルクラスのルーターを使っていたとはいえ、ここまで速度に差が出るとは思ってませんでた。
特にTUF Gaming AX6000に関しては有線接続に迫る数値を叩き出しているのでこれは嬉しい誤算かと。
有線接続が難しい部屋でも安心してゲームがプレイできますね!
こちらはゲーミングノートPCをWi-Fi6の5Ghzで接続した数値、これでゲームをプレイしても有線接続と遜色ないレベルで遊べるかもしれませんね。
ゲームブーストなどゲームプレイに関する機能が豊富
本機はモバイルゲームモードという機能があり、ゲームブーストすることによりWi-Fi接続はさらに遅延を抑えることができたり、
Open NATと言って、マインクラフトなどの特定のポート開放などが必要な設定などをゲームを選ぶだけで自動で最適な設定にしてくれたりなど、ゲームをプレイするにあたってストレスフリーな機能が豊富に備わっています。
友達とマルチプレイするためにポートの解放から勉強してたらその日終わっちゃうなんてこともザラにあると思うので、こういう機能があるととても助かりますね。
このようにゲームリストからゲームを選ぶだけで最適な設定をしてくれるのはありがたいですね。
検索機能も付いていて最新のストリートファイター6もあったのでラインナップはかなり多いと思われます。
専用のスマホアプリが使いやすい
ASUS専用のスマホアプリとの連携がかなり使いやすいです。
特にゲーム用途以外の設定も豊富で、接続されている端末のMacアドレスごとに通信を制御できたりするので、子供が危ないURLを踏まないよう設定したり、Youtubeの見過ぎで端末に制限をかけたりなどをアプリで一括管理できます。
UIがわかりやすく、直感的に操作できるのでゲーム用途以外で使用するのも全然ありだと思います。
電波の感度チェック
電波の入り具合も気になるところではあるので簡単にチェックしてみました。
検証に使用した端末はiPhone14 Plus、Wi-Fi6の5GHz接続でWi-FisweetSpotsというアプリを使用して検証します。
まずはWi-FiルーターとiPhoneの距離はほぼゼロの状態での数値。
速度は驚きの800Mbps越えで、電波もかなり安定しています。
因みにWi-Fiルーターの位置は2Fの窓際に設置している状態です。
階段を下りた1Fでの数値。
さすがに速度は落ちているが電波自体の安定度は高い。
家の中でWi-Fiルーターから一番遠い位置。直線距離で大体6m弱といったところで、遮蔽物は1F、2F間の天井の板2枚分くらいか。
さすがに落ち込みが激しいですが、安定感は抜群。よっぱどiPhoneを振り回さない限り接続がブレることはなかったです。
今度は打って変わって外に出てみた。位置的にはさっきの家の中の1mほど離れた場所。
遮蔽物が少ない分こちらの方が速度は高い。ガラスは電波を通しやすいので窓際に置いてあるのも一つの要因かもしれない。
そこからさらに10m程離れてみてルーターの方を向いた状態。
電波の安定間は流石に下がってきましたが、まだ繋がっているのが驚き。
そこからさらに5m離れてルーターの方を向いた状態。直線距離にして25mくらいは離れている。
まだ繋がっているのも驚きですが、これでやっと旧ルーターと同じくらいの速度って言うのがすごいですね。
流石にこれ以上離れると接続は切れましたが、ここまで届けば自分のボロ家屋で使う分には十分かと。
やはり遮蔽物が挟むとだいぶ電波が遮られる印象でしたが、安定感は高いので、普段使いとしては何の問題もなかったです。
とはいえマンション住まいの方や、鉄筋コンクリートの家などは階を挟むとかなり電波が弱まる可能性があるので、ある程度対策が必要になるかもしれません。
デメリット
ここまで案件のようにベタ褒めしてきましたが、しっかりとデメリットもあるので紹介していきます。
サイズがデカい
上記でも言いましたがサイズがバカデカい上に壁にも掛けれないため置き場所にひたすら困ります。
外観の主張が強いのでこういう機器を隠したい向けの人は超大変かもしれません。
IPv6非対応のサービスがある
ASUSのルーターはIPv6 PPPoE接続がサポートされていないようです。
なので購入を検討されている方は事前に自分の回線のIPv6接続をチェックすることをオススメします。
自分のインターネット回線のIPv6接続かなんなのかわからないひとはプロバイダに問い合わせましょう。
まとめ
今回一週間ほど使ってみた所感です。
正直速度に関しては契約しているインターネット回線が快適すぎてあんまり参考にはなりませんでしたが、
接続の安定性など、長期的に見れば確実にプラスになる部分もあったし、Wi-Fi接続に関しては文句の付け所が無かったです。
価格が2万円前後とWi-Fiルーターの中では高額な部類にはなるとは思いますが、ゲーミングWi-Fiルーターは5万円越えなんて製品もザラにありますので、それを考慮すると、2万円台でゲーミングWi-Fiルーターが手に入ると思えば比較的安い部類なのかもしれません。
まぁWi-Fiルーターなんて数年単位で付き合っていくレベルの機器なので、中途半端な機器を買ってストレスを感じるくらいだったらこれくらいは必要経費かなと。
実際、同価格帯の他社製品と比べるとゲーム用途で使うWi-Fiルーターとなると選択肢はかなり絞れてきますし、なによりゲーム用途を除いてもトップレベルに高性能で使いやすいので、個人的にはかなり買ってよかった製品だと思います。
とはいえ決して安くはない製品ですし、お家の回線速度の改善方法は契約しているインターネット環境により様々です。
「最新のWi-Fiルーター買ったけど速度改善が見込めなかった!F○○k!」なんて方もいらっしゃると思います。
まずは現状の環境で改善が見込めるか試してみて、Wi-Fiルーターの購入は最後の手段として考えた方が良いでしょう。